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中国アートのバブル

2007/07/15 10:55

 

北京五輪まであと1年になってしまった。ハード面はもちろん、ソフト=文化の
面でも中国は過熱している。
ここ数年、中国の現代アートの高騰は、世界的に見て異常だ。数年前に
50万円で買った絵が、いまは5000万円で売れるものもある、とある
画廊の方から聞いた実話だ。

しまった。中国の絵を買っておけばよかった。

浅はかにも思ったりするが、その画廊の方は、「ただし、このバブルが
いつまで続くかわからない」とも。


今、世界的に通用するほどの才能は、もう出尽くしている。才能とはそうそう、
何世代もたてつづけに出るものでもない。
現在、世界で活躍している中国人アーティストは、長年、抑圧されてきた分、
反動が大きく、それが優れたアートへと反映された。社会的に豊かになりつつ
ある今、どれだけの才能が育つのかも疑問だ。

中国人のアーティストは、一度売れれば工場を作り、何人も人を雇い、作品を
大量生産する。作家は自ら筆を取るのではなく、指示するのみ。
もちろん、そういうスタイルのアートも否定はできない。ヨーロッパのギルドや
工房を思えば、なんらそのあり方は不思議ではない。

でも・・・やはり、ひとりの人間が、苦しみながらもがきながら生み出したアートに
心ひかれる。日本人は職人気質というか、そういうタイプのアーティストが少なく
ない。彼らは世界で爆発的に売れることはないかもしれないが、大事にすべき
だと思うのだ。彼らが、日本の文化を支えているのだから。

ところでブログのスキンを変えてみた。梅雨気分を払ってくれるよい色だと
思ったのだが・・・象の背中のロゴがいただけない(笑)

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ファッション化するアート

2007/07/14 23:50

 

面白い記事を拝読した。ファッション関係の記事は、広告の関係からか
公明正大を標榜する新聞ですら、生ぬるいことが多い。
ブランドの言うことを、右から左へ。そこには何の批判性もない。

今回の騒動は、ファッションに踊らされた人たちと、プロとしての対応が
できなかったブランドが引き起こした。

ファッションを追求するなら、物理的なものだけでなく、立ち居振る舞いや
内面性といったものまで、ぜひ高めてほしいと思う。
そしてブランドには、その値段に見合った製品と対応が求められる。
今回、双方にそれが足りなかったのだろう。

この騒動をみていて、ふと不安になったことがある。

最近、アートの「ファッション化」だ。ファッション誌で、洋服の延長線上で
アートを買ったり、ショッピングの延長線上で美術館に行ったり。


それも悪くはないのだが、そこでとどまってしまうのは残念な話だ。
しかし、恐らくファッションからアートに入った人たちは、その入り口付近で
とどまる場合が多い。アートが一過性のブームとして終わらせないためには、
なんとか彼らをアートの奥へ奥へと引き込んでいかねばならない。

メーカーによるブランディングの道具にアートが使われて捨てられること
だけは、絶対に避けたい。

そのためには、アーティスト、キュレーター、ギャラリスト、ジャーナリスト、
すべての関係者が、クオリティの高いアートを作っていく必要があるのだろう。
どこまで実現できるかは、別として・・・

それとも、今回の騒動のように、アートを買う人が大混乱で警察が呼ばれたと
ニュースになるぐらい、ラディカルにファッション化してしまったほうが、
アートが根付くのだろうか?
悩ましいところではある。

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お客さん、作品を壊さないでください

2007/07/14 19:20

 

京橋にあるイナックスのギャラリーが最近、リニューアルした。

以前はもっとビルの上階にあったのだが、エントランスに入って階段を上ると
すぐにギャラリーがふたつある。イナックス、タイルよりもアートを前面に出す
イメージ作りか?
このギャラリーは以前から定評ある展示が多いので、それはそれで歓迎
したい。

さて新しいギャラリーのひとつで、スコットランド生まれのアーティスト、
アニアス・ワイルダーの作品が展示されていた(画像はリンク先で)。

部屋の壁から、反対側の端までおよそ6メートルに、複雑に組み合わされた
木の作品が、文字通り浮かんでいる。釘や接着剤などは一切、使われていない
という。

展示室に入ると、すこしの震動でも崩れますので静かにお願いします。
最終日まで多くの方に見ていただきたいので
、という趣旨の注意書きが
あった。ぬき足、さし足。息をするのにも緊張してしまった。どうも、作品を
堪能できるような気分になれない。

このアーティストは、作品を観客と最後に壊すパフォーマンスも行うらしいが、
途中で壊れたとしても、それはそれで作品のコンセプトに合致しているのでは
ないだろうか。

そうすると、親切で丁寧なようにみえるあの注意書きは、とんでもなく無粋な
もののようにみえてくるのだが・・・

いずれにせよ、完璧な形の作品を見たい方はお早めに。台風、地震、雷、
火事、親父。何があるかわからない今日このごろですので。

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六本木に巣くう生物

2007/07/14 01:00

 



嵐の前の静けさ。真夜中の六本木。孕む巨大蜘蛛。

どれひとつ欠けても、バランスが崩れる。そんな夜だった。

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銀座のビルに目玉がギョロリ

2007/07/12 00:08

 

仕事のついでに立ち寄った銀座。ふらりと通った路地の建物のガラス越しに、ぎょろりとこちらを見る目玉が。



真昼の怪談ではない。

2005年のVOCA展で一躍脚光を浴びた画家、日野之彦の個展が、ガレリア・グラフィカで開かれていた。

彼の絵を実際に見るのは初めてだったが、質感が恐ろしい。半開きの口にやや離れた両目。自画像は全裸。ほかにも、ヤギの頭部やまだ肉として加工される途中の家畜の死体など、不気味なモチーフが描かれる。

聞けば、1年間のインド滞在から帰国して、初の個展という。インドでは、動物ばかりか人間の生死すら日常で自然で自由だ。その風土は、この画家にほかに得がたいものを与えたことが伝わる。

ふと、帰り道に路上で死んでいた虫の存在が心にいつまでも残る。そんな個展だった。

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もんじゃと現代アートが出会う街

2007/07/08 18:45

 

それが、月島だ。

月島のはずれ、隅田川近くに建つ倉庫に、不思議な
ギャラリーがある。MUSEUM at TAMADA PROJECTS。




今、ここでは、越後妻有アートトリエンナーレや、
シカゴの巨大な噴水アートなどで知られる世界的な
彫刻家、ジャウメ・プレンサの個展が開かれている。


日本で2回目となる個展で、プレンサがわれわれに提示
したのは、自らをモデルにした、座像群。
膝を抱えて、宙に浮かぶ巨大な座像には、「記憶」「アイ
デンティティ」「現実感」といった言葉が刻まれる。



このほかにも、女性や海、病、食べ物といった私たちを
取り巻くあらゆる名前が、座像のそれぞれに浮き上がる。
それは、人間の身体を構成する遺伝子のようにも見えて
不思議だ。

プレンサは「身体は魂の容器」という。内面からの
光は、魂の存在を示しているようだ。


自らの身体と語り合うことで、魂とのつながりを確認する
作業。彼はそれを目指しているのかもしれない。

個展のタイトルは「SILENT VOICE」。下町の倉庫内部、
静謐の空間に、これほど雄弁なアートが出現するとは。

入場料は1000円と、普通の美術館並みに値ははるが、
50%が人道医療、もしくはアート関連のNPOへと寄付
される。月曜日休館、21日まで。

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文化庁に怒る東浩紀氏

2007/07/07 01:00

 

批評家、東浩紀氏が、文化庁に怒りをあらわにしている。

クール・ジャパンについての批判文を文化庁の事業の
サイトに寄せたところ、勝手に検閲された上にネットに
アップされたというのだ。詳しくは東氏のブログで。

以下、問題部分の引用。

第三段落末尾がポイントです。著者校の段階では「海外からのお墨つきがなければなにもできない、日本の政策担当者の無力を証明している。」となっていた文章が、公開時には「海外からのお墨つきを大事にする、日本の政策担当者の独特のスタンスを証明している。」に変更されています。むろん、僕の確認などはありません。

確かにひどい・・・

文章の表現を変えるのであれば、筆者に確認を取るのが
必要最低限の常識だ。東氏の怒りもわかる。

個人的にはクール・ジャパンという言葉はどうもピンと
こないし、自ら使用する機会もないので気にしたことは
なかったが、こうして言われれば、海外からのお墨つきを
大事にする輩は少なくない。

現代アートでいえば、村上隆も草間弥生も、みんな海外
からハクをつけてもらい、凱旋するしかなかったのだ。

島国・日本。いまだクールになれず?

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ソチ勝利。そこで、ロシア美術館展だ!

2007/07/05 20:40

 

冬季五輪、ロシアのソチが勝利。ソチという都市が一体
どんなところなのか、想像もつかないが、ロシアという国を
知るよいチャンスが最近、あった。

産経新聞が主催している(笑)、ロシア美術館展だ。

これまで、ロシアの美術館といえば、エルミタージュ。
エルミタージュ美術館展といえば、西欧の絵画のコレク
ションが目玉となることが多い。
一方、ロシア人による絵画コレクションといえば、ロシア
美術館が有名なのは、日本であまり知られていない。

パリの著名美術館、オルセーでもロシア美術館展が
開かれて、かなりの盛況だったと聞いたことがある。
あちらでは、ちょっとした美術館なのだ。


今回のロシア美術館展では、そのコレクションの魅力の
一端を知ることができる。ロシアに留学していた友人たちに
聞いたところ、よくぞこれだけ持ってきた!とまずまず
好評。ただ、ロシアを知っている人が見れば面白いが、
知らない人には少々、不親切とも思えたという。

ただ、このころのロシア絵画を見る機会がなかった者
としては、単純に新鮮な感動があった。
王族や貴族ばかり描かれていた絵画が、やがて民衆の
ものになっていく流れ。ロシアの歴史を感じさせる。
欲をいえば、今回来ていた時代よりもさらに新しい、
アバンギャルドも見たかったけれども・・・

翻ってソチ。現代ロシアは日本だけでなく、さまざまな
外交問題を抱えている。無事に五輪開催となるか。世界は
見守っていかなければならない。

そして、そのロシアを題材にした現代アート作品を見て
みたい、なんて思ったり。

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ルーブル美術館が日本出張

2007/07/02 23:55

 

慶応大学アート・センターに、ルーブル美術館の学芸員がやってきて、3日間のサマースクールを開く。

とはいえ、こちらはアートマネジメントにかかわっているプロや半プロ向け。
一般参加者は、無料で7月30日に
公開セッションで彼らの話を聞くことができる。一般向けとはいえ、世界の著名美術館の動きをキャッチできそうで、興味深い。

気になるのは、今時、往復はがきで応募しなければならないのと・・・最後に書かれたこの留意事項だ。

主催者の事前許可を得ていない撮影、録音、録画、
取材はできません。また、セッションの内容等の
「ネットへの書き込み」や「ブログへの転用」も堅く
お断りします

・・・なぜ?

参加者は、この日にあったことをネットで書いてはいけないのだろうか?
よほど知れば命にかかわる、危険な内容なのではないかとアート関係の友人たちの間でうわさになっていた。

イエス・キリストの末裔にかかわる謎とか(笑)

ルーブル美術館だけに、あながち否定できない?


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美しい国へ~現代アートと政治のギリギリな関係

2007/06/30 23:10

 

コタツにあたりながら、熱燗をいっぱいやる、怪しいアラブ系の男。彼は自分をテロリスト
オサマ・ビン・ラディンと名乗り、もうテロリストは引退する。探さないでほしい。日本は
いいところ・・・などと、怪しい日本語でくだを巻く。

会田誠が自ら出演した、「日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からの手紙」という
ビデオ作品だ。2005年末、中目黒の個展で日本では初めて発表された際に見た。

確かにおかしい。ありえない状況、ろれつの回らない酔っ払いの自称テロリストの姿は
お笑い芸人のコントを見ているようだった。個展を見に来た人たちも思わず、声をあげて
笑っている。

しかし。こんなギリギリの作品を作成して上映し、あまつさえ観客は爆笑してしまい、
それを違和感なく「面白い作品だったね」と言える平和な国、日本。
今、自分が置かれている政治的状況を考えると、笑うに笑えなくなってしまっていた。

案の定、その後この作品は、昨秋開かれたシンガポールビエンナーレにも出品されたが、
一部カットされたらしい。実に、会田誠らしいと思った。

その会田誠が、今度は日本の首相に扮している。




明日まで渋谷で開かれている、ガンダーラ映画祭の広告だった。この映画祭は
映画監督や現代アーティストたちが「美しい国へ」をテーマにそれぞれの映像
作品を上映するもの。もちろん、会田誠も参加している。
残念ながら時間が取れず、見に行くことができなかったのだが、個人的には現代
アーティスト、岡田裕子の作品を見たかった。彼女は、主婦や出産など女性を
取り巻くもろもろをテーマに、毒のある、優れた映像作品を作り続けている。ぜひ
まとまって作品を見てみたいアーティストだ。ほかの参加者も、なかなか魅力的な
作品を集めているようだ。

先の会田の作品にしても、こうしたクオリティの高い風刺を堂々とできるのは、
もはや現代アートしかないのではないか、という気がしてならない。
マスコミは必要以上に自粛モードだし、お笑いもテレビというメディアには強い
規制が働くので、かつてのように風刺たりえない。

現代アートと政治。健全かつギリギリの関係が、今かろうじて保たれている
のではないだろうか?


ただし、それもいつまで謳歌できることなのかは、わからないけれども・・・




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